
ゲームデザイン:砂漠のキタキツネ
拡張カードデザイン:AMI
公式:
https://commandmagazine.jp/com/162/index.html
マップは三国志の舞台となる中国大陸がスペースに分割され、複数のスペースで得点の基準となる州ゾーンを形成している。群雄や軍師等の能力はカードで表現されており、盤上に配置されるユニットは所属陣営と、活性化中か行動済みかのみを表す。
プレイヤーは自分の陣営色の戦力ユニット19個、勝利得点マーカー、ゲーム上の資源を表す名声チット4個を受け取る。基本ゲームではジャンケン等で、選択ルールを使うなら勢力の初期配置を確認した後、勝利点の入札で順番を決める。
プレイヤーは手番毎に、公開されている群雄カードと支援カードを組み合わせた勢力を1つを選択し、その戦力を使ってマップ上のスペースを支配する。戦力をすべて使ったら、ゾーン毎の基本点と支配度合いに応じて勝利点(VP)を獲得する。勢力はターン毎に新しく選択するが、以前の勢力で配置したユニットが残っていればそれも得点に利用できる。

勢力は通常6つ公開されていて、最前列は無償で獲得できるが、後ろの勢力を選ぶ場合は、それより前にある勢力毎にゲーム上の資源である名声チットを1枚配置しなければならない。配置された名声は後にその勢力を選んだプレイヤーが獲得、使用できる。
勢力を選択したら、軍師やイベントを表す支援カードの効果を適用する。効果には群雄の戦力増強、都市の建設、追加VPチットの獲得、ゲーム終了時のボーナス得点、群雄とは別に侵攻を行う独立勢力などがある。
その後、曹操や劉備、孫策などの群雄の能力を表す群雄カードの戦力を用意し、最初の1個をその群雄の開始スペースに配置し、残りの戦力を使って隣接するスペースに侵攻していく。侵攻先に他の勢力の戦力があれば、戦闘結果表でサイコロを振って、結果を判定する。敗北した場合、攻撃を繰り返してもいいし、別の方向へ矛先を転じてもいい。

群雄のすべての戦力を使用したら、州ゾーン毎に3段階ある支配の度合いを確認して、勝利得点を得る。このとき、支配スペースにある都市と大都市からも得点できる。
以上の手順を、プレイヤー人数に応じて3〜4ターン繰り返し、最後に、名声チット、カードの効果、追加VPチットなどによるボーナス点を加算して勝敗を判定する。
追加VPチットは「群雄割拠」の上洛に相当するが、帝都のスペースを目指すのではなく、支援カード毎に軍師の献策や異民族の提携等の異なる獲得条件が設定されている。
メカニズム的にはボードゲーム寄りではあるけど、他のプレイヤーの領土に対して直接攻撃し合うので、大まかな戦略レベルの戦闘ではあるものの、ウォーゲーム寄りのプレイ感覚を手軽に味わうことが出来る。反面、勢力が使い切りのため、多人数ゲームでありながら、わずらわしい外交交渉は不要で軽快にプレイできる。
選択ルールのうち、プレイ順の入札はルールを把握できたらなるべく採用することをお勧めする。2種類の拡張カードはややプレイ時間を増大させるが、その分三国志テイストを上積みできる。慣れたプレイヤー同士ならフルオプションでも1時間で十分プレイ可能なので、ぜひ挑戦してみて欲しい。
おまけ:収納ガイド
コマを収納する際、各色の戦力とVPマーカーに加えて、名声4個をひとつにまとめておくと準備の手間が省けます。
参考文献:
ウォーゲーム日本史22号「群雄割拠」
デザインノート 戦国時代を群像劇的な歴史マルチゲームで……(砂漠のキタキツネ)
タグ:群雄割拠三国志