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2013年12月17日

失われた地平線(ヒルトン)

「失われた地平線(Lost Horizon)」はイギリス人の作家ジェームズ・ヒルトンが1933年に発表した小説。

この作品のことを初めて知ったのは、昔のゲーム雑誌の戦史記事だったかと思う。太平洋戦争中の1942年4月、アメリカ軍が空母から陸軍のB-25双発爆撃機を飛ばしたドーリットル空襲について、爆撃機がどこから出撃したのか問われたルーズベルト大統領が記者を煙に巻くために「出発地はシャングリ・ラ」と答えたという逸話のネタ元。
当時の人気作品で、1937年には映画化もされているが、それを知らなかった記者が爆撃機は空母シャングリ・ラから発進したと書いて、結果的にエセックス級航空母艦の1隻CV-38に命名された。

作中のシャングリ・ラは世の戦乱を避けて人類の文化を守ろうとした理想郷なのだが、ここから敵の本拠地を爆撃する飛行機が出撃したというのもアメリカらしい皮肉の効いた話だ。

「失われた地平線」という印象的なタイトルに魅せられて当時から読みたいと思っていたのだけど、つい最近、新しい邦訳が出ていることを知り、早速入手した。

実際に読んでみると、シャングリ・ラに到着してからの描写が多く、読む前に想像していたような理想郷に辿り着くまでの冒険的な旅程はわずかであるが、主人公にも大きな影響を与えた第一次世界大戦を経て、再び戦争の暗い影が全世界を覆いつつあった1930年代の背景を想像しながら読むとなかなかに味わい深いものがあった。

新訳は現代語なので文章の読みやすくお勧めですが、以前の訳や映画版にも興味が出てきましたw
posted by AMI at 00:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書
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